II.うつ・疲労の度合いについての調査結果
まず、うつ病に罹患した方と健康な方について、(1)専門医の問診によるうつ病の程度(SIGH-D※2)と自覚的な不調の度合い(SDS※3)、(2)勤務の状況と疲労の蓄積度(労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト※4)について調べました。
*うつ病に罹患した方(うつ病群)は25人(男性22人、女性3人)、平均年齢47.5±7.7歳、全員右利きでした。健康な労働者(対照群)は20人(男性18人、女性2人)、平均年齢47.1±9.8歳、全員右利きです。両群の年齢と性別は統計学的にマッチしています。
(1)専門医の問診によるうつ病の程度と自覚的な不調の度合いの結果
専門医による不調の程度(SIGH-D)は、うつ病群では平均17.1±3.9点、対照群では平均3.6±2.1 点と大きな違いがありました。自覚的な不調の度合い(SDS)は、うつ病群は平均56.5±4.4点、対照群は平均37.8±10.0点とやはり大きな違いがありました。
(2)勤務の状況と疲労蓄積度の結果
労働者の疲労蓄積度自己チェックリスト(厚生労働省)は、3つの項目についての採点ができますが、以下にI:自覚症状の総点、II:勤務の状況の総点、III:仕事の負担度の点数を表示します。
この表のとおり、II:勤務の状況は、うつ病の方と健康な方との間に大きな違いはありませんが、I:自覚症状とIII:仕事の負担度は、うつ病の方が高いという結果が出ています。
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