今後の展望
(1)全国の勤労者を対象とした大規模調査(職種、地域別)
今回の調査では、IT関連企業2社を対象とした調査であり、企業の特性が結果に反映している可能性がある。MENTAL-ROSAIはインターネットによる大規模調査が可能なため、今後は職種別、地域別の勤労者のストレス状況を把握することが必要である。
また、それによって全国のメンタルヘルスに対する意識向上に役立つことが期待される。
(2)精神障害等による労災認定の参考資料
「ライフイベント調査」では、労災認定の資料(労働基準局「心理的負荷による精神障害等に係わる業務上外の判断指針)を採用している。これにより、労災疾病の予防・対策の参考資料となりうる。
(3)定期健康診断との併用
本調査を企業で定期的に実施することにより、従業員のストレス状態について定期的に把握することが可能となる。例えば、定期健康診断と併用することにより、うつ病をはじめとするストレス病の予防に役立つことが期待できる。
(4)全国の労災病院、産業保健センター、心の電話相談との連携
全国32の労災病院、13の勤労者メンタルヘルスセンター、20の心の電話相談・メール相談等と連携することにより、政策病院また事業場外資源として、全国の勤労者の「心のセーフティネット作り」に貢献できる。
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