勤労者メンタルヘルスチェックシステム(MENTAL-ROSAI)の概要
MENTAL-ROSAIは、メンタルヘルス指針に沿って、企業が進めるメンタルヘルス対策を幅広く支援するためのWebシステムである。
「個人向けアプローチ」では、全従業員を対象にインターネットによるメンタルヘルスチェックを実施し、その結果を個別にフィードバックする。さらに、結果によりメンタルヘルス不調と思われる回答者には、産業医等への相談推奨・医療機関の情報提供等を行う。
「事業所向けアプローチ」では、調査結果を集計・分析し従業員のメンタルヘルス状況、職場環境の問題点等を専門スタッフがまとめ、事業場内産業保健スタッフに報告する。さらに、教育研修や情報提供を通じて、職場環境の改善に向けた取り組みをサポートする。
【MENTAL-ROSAIを用いたメンタルヘルス対策の流れ】
【事業所向けアプローチ】
協力事業所には、従業員のストレス状態を集計・分析した「事業所結果報告書」を提出する。
報告内容は,職場全体のストレス状況、ストレス判定図、総合健康リスク、うつ状態の可能性が高い従業員の割合、ライフスタイル調査結果等で構成される。(1)
次に、調査結果を集計・分析した報告用スライドを作成し、事業場内産業保健スタッフに対して結果報告を行い、(2) 必要に応じて従業員への教育研修、専門機関等の情報提供等を行う。
これらにより、事業場内産業保健スタッフによるメンタルヘルス対策をサポートする。(3)
【MENTAL-ROSAIの特徴】
1.職場および自宅から、調査への回答、報告書閲覧が可能
インターネットによるWebツールを採用することにより、時間も場所も選ばない、簡便性の高いシステムを構築している。回答への所要時間は約20分である。
2.厳重な個人情報保護対策
回答者の個人情報を一切確認せず、専用ID・パスワードによるデータ管理を行っている。
さらに、Web間の伝達情報管理にSSL(Secure Socket Layer)を採用し,回線内の個人情報のセキュリティ強化を図っている。
3.メンタルヘルス不調者の早期発見と対応へのアプローチ
調査項目に「CES-D日本語版」を採用し、判定値を超えた回答者には産業医,保健師への相談推奨,専門機関の利用等を通知する。報告書は印刷可能であり,健康管理室の面談用資料としても利用できる。判定値以下の回答者についても,一次予防としての生活習慣の改善点が報告される。
4.精神障害等の労災認定資料を採用
「ライフイベント調査」は、精神障害等の労災認定のための評価項目を採用しているため、労災予防及び快適職場作りの参考資料となりうる。
5.職場全体のストレス評価、事業所対策が可能
回答結果は自動集計され、“職場全体のストレス評価”として事業所に報告される。
さらに、必要に応じて教育研修、専門機関等の情報提供を行い、職場のメンタルヘルス対策を支援する。
【個人向けアプローチ】
<回答用画面>
回答者は、所定のインターネット・ホームページにアクセスし、メンタルヘルスチェックに回答する。
(全回答数181:該当項目選択式62を含む)
回答結果は自動的に集計され、職場のストレス要因、うつ状態、心身のストレス反応、周囲のサポート度、ライフスタイル評価などの判定が行われる。
さらに、その結果を研究センターの専門スタッフが最終確認し、指導コメントを添えた「調査結果報告書」を3日以内に返信する。
回答では本人名、所属等を確認せず、回答結果は個人ID及びパスワードにて一括管理される。うつ病リスクの高い者には、産業医および医療機関の受診を推奨し、さらに専門機関の情報提供を行う。
これらにより、自分のストレス状態の気づき、健康行動の促進、メンタルヘルス不調者の早期発見、早期対応を目指す。
<回答用画面>
・各回答は、2.5万人の勤労者の調査データを基に5段階評価され、自動表示される。
|