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研究の背景
(1) 企業に求められる"勤労者のメンタルヘルス対策"
近年、経済・産業構造が変化する中、61.5%の勤労者が自分の仕事や職業生活に関して「強い不安、悩み、ストレスがある」としている。また、自殺者総数は3万人を超え、労働者の自殺者数も8〜9千人前後で推移している。社会経済生産性本部が2006年4月に実施した調査によると、61.5%の企業が最近3年間の心の病は増加傾向と回答している。
これは、前回調査(2004年)に比べて3.3%増、前々回調査(2002年)に比べて12.6%増となっており、一貫して増加傾向を示している。
職業生活におけるストレス等の要因
資料: |
脳・心臓疾患および精神障害等に係る |
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労災補償状況(厚生労働省) |
自殺した労働者の推移
資料:「労働安全衛生法」第3条、第69条
さらに、業務による心理的負荷を原因とした精神障害の発症、あるいは自殺に対する労災補償状況についても、請求件数、認定件数とも近年、増加傾向にある。
このような労災補償状況の増加の背景には、事業者が労働者に対して負っている労働契約上の債務である安全配慮義務の拡大化があげられ、これを果たすことは、いまや事業者にとって必要不可欠である。また、心の健康を崩すことが原因で長期欠勤や生産性の低下を招くことも多く、生産性の点からも、メンタルヘルス対策は企業にとって重要課題になっている。
精神障害等による労災認定件数
資料: |
脳・心臓疾患および精神障害等に係る |
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労災補償状況(厚生労働省) |
職場の安全配慮義務
資料:「労働安全衛生法」第3条、第69条
(2) 職場のメンタルヘルス対策の進め方(4つのケア)
こうした動きの中で、厚生労働省は労働者のメンタルヘルス対策を推進するため、2006年3月に「労働者の心の健康の保持増進のための指針(メンタルヘルス指針)」を策定し、職場のメンタルヘルス対策の一層の推進を図っている。これにより、事業場には本指針に基づいたメンタヘルスケアの推進について、積極的に取り組むことが求められている。
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