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職業性皮膚疾患とは

職業性接触皮膚炎とは

 種々ある職業性皮膚疾患の中で最も多いのは、取り扱う化学物質との接触により生じる接触皮膚炎(かぶれ)です。職業性接触皮膚炎は、多くの国において労働者を侵す疾患の第1位であり、職業性皮膚疾患の7〜8割を占めています。
 労働者にとって職業性接触皮膚炎は、一般に生命リスクは低いのですが苦痛や不快感から労働者の日常生活にとっても障害になるだけでなく、職場での作業効率も阻害してしまいます。職業上接触を避けられない場合は配置転換・転職を余儀なくされる場合があります。症状が悪化すれば休業せざるを得なくなることもあり、経済的影響も無視できなくなります。これは労働者にとっては重大な問題です。
 職業性接触皮膚炎は、その発症機序から次のタイプに分類されます。

刺激性接触皮膚炎

 刺激物質との接触により生じる接触皮膚炎です。次の2つのタイプに分類されます。
急性型(図1):強刺激物質(強酸性・強アルカリ性物質、灯油など)との接触後、数時間で生じます。
慢性型(図2):弱刺激物質(界面活性剤など)との接触を繰り返しているうち、皮膚の防御能が破壊されて生じます。
図1 図2
図1 灯油による急性型刺激性接触皮膚炎 図2 洗剤による慢性型刺激性接触皮膚炎

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アレルギー性接触皮膚炎

 特定の化学物質に感作された場合にのみ生じる接触皮膚炎です(図3)。原因物質は、金属、セメント、エポキシ樹脂、ヘアダイ、ゴム加硫促進剤、染料など多数あります。アレルギーという個人の因子が大きいとして労災補償の対象となりにくく、有害物質による刺激性接触皮膚炎に比べると、予防策への取り組みが遅れていると言わざるを得ません。そのため、本研究で重点的に取り組むべきテーマとして取り上げています。
図3
図3 美容師にみられたアレルギー性接触皮膚炎(手〜前腕)

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光毒性・光アレルギー性接触皮膚炎

 紫外線で化学変化を起こした物質によって生じる接触皮膚炎です。

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接触じんましん

 原因物質が接触して数分以内に膨疹を生じるもので、天然ゴムラテックスによるラテックスアレルギーが有名です(図4)。時に重症化して、血圧低下、呼吸困難などの全身症状を伴うことがあります(アナフィラキシー)。
図4
図4 医療従事者にみられたラテックスアレルギー

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