アスベスト(石綿)による疾病に係る労災認定基準は、平成18年2月9日改定されています。そこでは「石綿ばく露作業」を次に掲げる作業としています。
職場におけるアスベストばく露の形態
| 石綿鉱山又はその附属施設において行う石綿を含有する鉱石又は岩石の採掘、搬出又は粉砕その他石綿の精製に関連する作業 |
| 倉庫内等における石綿原料等の袋詰め又は運搬作業 |
| 次のアからオまでに掲げる石綿製品の製造工程における作業 |
ア) | 石綿糸、石綿布等の石綿紡繊製品 |
イ) | 石綿セメント又はこれを原料として製造される石綿スレート、石綿高圧管、石綿円筒等のセメント製品 |
ウ) | ボイラーの被覆、船舶用隔壁のライニング、内燃機関のジョイントシーリング、ガスケット(パッキング)等に用いられる耐熱性石綿製品 |
エ) | 自動車、捲揚機等のブレーキライニング等の耐摩耗性石綿製品 |
オ) | 電気絶縁性、保温性、耐酸性等の性質を有する石綿板、石綿紙、石綿フェルト等の石綿製品(電綿絶縁紙、保温材、耐酸建材等に用いられている。)又は電解隔膜、タイル、プラスター等の充填剤、塗料等の石綿を含有する製品 |
| 石綿の吹付け作業 |
| 耐熱性の石綿製品を用いて行う断熱若しくは保温のための被覆又はその補修作業 |
| 石綿製品の切断等の加工作業 |
| 石綿製品が被覆材又は建材として用いられている建物、その附属施設等の補修又は解体作業 |
| 石綿製品が用いられている船舶又は車両の補修又は解体作業 |
| 石綿を不純物として含有する鉱物(タルク(滑石)等)等の取扱い作業 |
| 上記からまでに掲げるもののほか、これらの作業と同程度以上に石綿粉じんのばく露を受ける作業 |
| 上記からの作業の周辺等において、間接的なばく露を受ける作業 |
環境ばく露
アスベスト鉱山やアスベスト工場の近隣に居住してアスベストばく露を受ける、近隣ばく露によっても中皮腫が発症しており、このような環境ばく露にも充分な注意が必要です。
家庭内ばく露
妻が石綿繊維が付着した夫の作業着あるいは石綿の入った袋の洗濯を行った際ばく露した場合も中皮腫を発生しており、このばく露形態を家庭内ばく露と呼びます。
【出典:森永謙二 「改訂新版 職業性石綿ばく露と石綿関連疾患」「アスベスト関連疾患日常診療ガイド」を参考に記載】
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