じん肺は、古くから知られている代表的な職業性疾病であるにもかかわらず、じん肺及びじん肺合併症による業務上疾病者数は、依然として多い状況にあります。
このような粉じんによる障害を防止する対策としては、
☆ 粉じん発散および粉じんへのばく露を低減する
☆ 粉じん作業従事労働者に対する健康管理をする
事が重要であり、それらの対策は、それぞれ粉じん障害防止規則およびじん肺法に規定されています。
また、厚生労働省では、平成15年5月から5ヵ年にわたる「第6次粉じん障害防止総合対策」を策定し、その中で「粉じん障害を防止するため事業者が重点的に講ずべき措置」を示し、粉じん障害防止対策を推進しています。
粉じん発散及び粉じんへのばく露を低減するための対策
じん肺は粉じんを長期間にわたって吸引することによって起こります。
その防止には・・・・・
- 発生源対策として職業環境中の粉じんを極力減少させる
- 作業方法の改善として粉じんをできるだけ吸入しないための防じんマスク等の着用
- じん肺の早期発見と進展程度を把握し、進展防止に資するためのじん肺健康診断の実施
- じん肺予防に必要な教育の実施
- これらの対策を推進するための管理体制の整備
が基本の五項目となります。これらを総合的に実施していくことが必要です。
具体的には、次のような対策を講じることが必要です。
(1) | 粉じん発生の少ない生産工程、作業方法等への改善および原材料の変更等 | |
(2) | 密閉化、局所排気装置またはプッシュプル型換気装置の設置、湿式化等の特定粉じん発生源についての対策 | |
(3) | 特定粉じん作業以外の粉じん作業以外の粉じん作業を行う屋内作業場における全体換気装置の設置等の対策 | |
(4) | 作業環境測定に基づく作業環境の評価及び評価結果に基づく適切な事後措置の実施 | |
(5) | 呼吸用保護具の適切な使用 | |
(6) | 粉じん作業に従事する労働者に対する特別の教育および特別の教育に準じた教育の実施 | |
(7) | 局所排気装置等の定期的な検査および点検 | |
(8) | たい積粉じんによる2次的発散防止のための清掃の実施(毎日および定期) | |
(9) | 粉じん作業場以外の場所への休憩設備の設置 (平成17年度版 「労働衛生のしおり」) | |
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