テーマ2.じん肺合併症の現状と客観的評価法に係る研究
今般、労災病院群における合併症の発生状況について調査し、厚生労働省から公表されている全国の発生状況との差異について検討した。
対象と方法
全国の労災病院のうち、多数のじん肺患者を診療している7労災病院から回答を得た。アンケート内容として、合併症のみられたじん肺患者の年齢や職歴、じん肺管理区分等の基礎的データと、合併症毎に症状、検査所見、治療内容や経過等について調査した。
労災病院群と全国のじん肺合併症の比率
この3年間に新たに発生した労災病院群のじん肺合併症は合計150例であり、肺がんが62例(41.3%)、続発性気胸61例(40.7%)、肺結核14例(9.3%)、続発性気管支炎10例(6.7%)、結核性胸膜炎3例(2.0%)であった。全国のじん肺合併症の発生状況と比較すると、特に続発性気管支炎の比率が全国では76.1%であるのに対し、労災病院群では9.8%と大きな差が見られた。
考察・まとめ
昭和60年以降の我が国のじん肺合併症の推移の中で最も特徴的なことは、第一に続発性気管支炎と認定される患者の急激な変化である。
今般、労災病院群における平成20年度からの3年間に発生したじん肺合併症について調査を行った。じん肺合併症のうち続発性気胸は、これまでその発生の実態については十分に把握されていなかったが、管理4患者などじん肺の病状が進んだ例で多く発生していることがわかった。労災病院群では続発性気胸と肺がんが合併症全体の8割以上を占めており、じん肺診療の上ではこの2疾患が最も重要な合併症と考えられる。また合併症の中の続発性気管支炎の比率をみると、労災病院群と全国との間に著しい差があることがわかった。これまで続発性気管支炎の労災認定の方法には問題があることが指摘されていたが、今回の調査結果は、その事実をさらに裏付けるものと考えられた。
今般、労災病院群における平成20年度からの3年間に発生したじん肺合併症について調査を行った。じん肺合併症のうち続発性気胸は、これまでその発生の実態については十分に把握されていなかったが、管理4患者などじん肺の病状が進んだ例で多く発生していることがわかった。労災病院群では続発性気胸と肺がんが合併症全体の8割以上を占めており、じん肺診療の上ではこの2疾患が最も重要な合併症と考えられる。また合併症の中の続発性気管支炎の比率をみると、労災病院群と全国との間に著しい差があることがわかった。これまで続発性気管支炎の労災認定の方法には問題があることが指摘されていたが、今回の調査結果は、その事実をさらに裏付けるものと考えられた。