うつ病の客観的診断法に係る研究・開発、普及
(勤労者の抑うつ、疲労の客観的指標に関する研究・開発、普及)
研究目的
この分野の第一期研究では,うつ病に特徴的な前頭葉の血流低下と回復に伴う変化,疲労感や不眠と関連した脳血流変化を示しました。これらの脳血流変化は身体のホルモン分泌のアンバランスおよび脳内の神経伝達と深く関連しています。
第二期研究で着眼した唾液中のホルモンは,生理作用に鋭敏に反応することから,心理・行動およびスポーツ医学の研究に用いられています。しかし,抑うつ・ストレスおよび疲労など,労働者の状態(臨床像)とcortisol以外の副腎皮質ホルモンとの関係についての確立された知見は乏しいのが現状です。その結果,労働者の抑うつと疲労蓄積等に関して,脳の血流変化と唾液中ホルモン測定を併せた指標を提示することにより,メンタルヘルス不調の予防(早期発見),診断,回復判定の際に客観的な指標になるとの意義を見出しました。