勤労者のメンタルヘルス分野
勤労者 メンタルヘルス研究センター
主任研究者 山本 晴義 ;横浜労災病院 勤労者メンタルヘルス
【説明】産業構造の変化に伴う勤労者の新たな健康問題として重要な課題となっている勤労者のメンタルヘルス対策について、次の研究開発を行います。
(1)ITを利用した職場でのメンタルヘルス不全予防システムの研究開発
職場におけるメンタルヘルス不全予防対策の事業場外資源の一つとして、簡便で多くの勤労者が「いつでも・どこからでも」同時に利用でき、個人情報保護と匿名性に優れたメンタルヘルス対策を可能とするため、インターネットによるメンタルヘルス・セルフ・チェックと保健指導の有用性に関する実証的研究開発を行います。
(2)うつ病の客観的評価法の研究開発
うつ病を含む精神障害等による労災補償件数は、年々伸びていますが、自殺の懸念があるうつ病は、業務上外にかかわらず、うつ病を発症した勤労者やご家族にとり、早期に専門医の診療を受けるべき深刻な疾病であり、再発防止には、職場の適切な健康管理や職場環境改善が求められるなど対応を慎重にすべき疾病です。
一方で、うつ病は画像や血液検査結果などの客観的指標がないこと等から、うつ病患者である勤労者にとっては、それらに基づく、うつ病の判定、程度及び改善度を知る手段がありません。
そこで、うつ病の診断や回復度の診断に役立てるために、うつ病患者では前頭葉の一部の脳血流が低下するという症例報告等をもとに、うつ病の問診評価方法であるHAMDの結果と脳血流SPECT画像とを検討し、客観的なうつ病及び重症度の評価指標を研究開発します。 |