研究の概要及び目的
脳血管障害者の職場復帰は、現在も現職復帰が1/3程度である。上・下肢麻痺だけでなく、失語などの高次脳機能障害やうつ的症状、さらに肩関節痛など脳血管障害に起こる特有の身体的合併症が阻害要因となる。加えて、本人の復職意欲や企業の判断などの社会的要因も少なからず関与している。効率的な復職システムを構築するための研究を継続して行った。
研究概要
- Phase1:労災病院入院時及びリハビリテーション開始時、労災病院退院時状況調査
前回のPhase1(入院時60項目)とPhase2(退院時35項目)の調査項目を併せてPhase1(68項目)とした。前回から追加した項目は、年金有無、業務形態(正規職員かどうか)、病床の種類、リハビリテーション開始時の上肢・下肢の機能(Brunnstrom Stage)、入院中の職場訪問有無、家族のサポート、退院時の本人の障害受容、退院時の本人の問題解決能力、退院時の本人の対人関係であった。 - Phase2:リハビリテーション病院「主として回復期病院」における退院時の状況
Phase1に重点を置いた調査としたため、前回は35項目であったが今回は簡素化し21項目とした。前回から追加した項目は、上肢機能及び下肢機能をBrunnstrom Stageで記載、身体機能障害と精神障害者保健福祉手帳の取得有無であった。 - Phase3:発症後1年半経過時状況調査
前回(25項目)とほぼ同じ24項目であるが、自立支援法による福祉就労施策(就労継続支援や就労移行支援)の活用の有無を追加している。